「“できません”と伝えたことで、見えた景色|働き方を見つめ直して気づいた本当のこと」

はじめに:働き方の変化と心の揺れ
1年半ほど前、「自分にとっての働き方とは何か」を考える時間が増えました。
仕事と家庭、どちらも大切にしたいと思いながらも、現実はなかなかバランスが取れない。
それまで、“仕事ができること”が価値あることと思い、任された仕事には全て応えようとしていました。
「頼まれるのは信頼されている証だ」と思い込んで、気づけば深夜や休日までパソコンの前に向かう日々。
でもその裏では、どこかに疲れや迷いを抱えていたのも事実です。
理想と現実のギャップ
マーケティング職に就いていた頃は、まさに分刻みの忙しさでした。
早朝にメールを返し、日中は会議をはしごし、夜は資料づくり。土日も「ちょっとだけ」とPCを開く毎日。
「この働き方は、自分の理想だっただろうか?」とふと思ったこともあります。
でも、「できません」と伝えることへの恐れの方が強くて、踏み出せずにいました。
「信頼を失ってしまうかもしれない」
「次から大事な仕事を任せてもらえなくなるのでは」
そんな不安が、いつも心の奥にありました。
正直に伝えることの意味
そんなある日、自分の中で「もう限界かもしれない」と思う瞬間がありました。
思い切って上司に、正直な気持ちを伝えたんです。
すると驚いたことに、すぐにチーム全体で仕事の見直しをしてくれました。
抱えていた案件の一部を分担してくれて、「無理をする前に言ってくれてありがとう」とまで言われたんです。
任せることの勇気と、それを受け取る側のやさしさ。
この経験は、私の価値観を少し変えました。
それから少しずつ、働き方を調整できるようになっていきました。
気づけば、「家族と食卓を囲む時間」や「自分の考えをブログに書く時間」も取れるようになっていました。
今感じていること、そして迷い
今は、子どもと過ごす時間や自分の時間が増えたことで、心にも余裕が生まれています。
けれど、一方で「もしあのとき何も言わずに耐えていたら、もっと責任ある仕事を任されていたかもしれない」と考えることもあります。
今でも、私は「正解を選んだ」と自信を持って言うことはできません。
むしろ、正解なんて存在しないのかもしれません。
ただ、自分に正直になれたことは後悔していません。
あの一歩がなければ、今の穏やかな日常もなかったと思っています。
同じような悩みを持つ人へ
もちろん、上司やチームに恵まれていたからこそ、今の私があります。
でも、それ以上に大きかったのは「勇気を出して、自分の本音を伝えたこと」だと思っています。
頑張りすぎてしまう人ほど、無理をしていることに気づきにくい。
だからこそ、自分の声に耳を傾けることが必要なのかもしれません。
「仕事の重み」に違和感を覚えているなら、
「このままでいいのかな」と思っているなら、
まずはその気持ちを誰かに伝えてみてください。
きっと、その先に見える景色は変わってくるはずです。